うつ病とは
うつ病は、気分の落ち込みや意欲の低下が長く続き、興味や喜びを感じにくくなる病気です。単なる一時的な気分の落ち込みとは異なり、脳の働きや神経伝達物質のバランスに異常が生じ、持続的に「楽しい」と感じることができなくなります。 現代社会では、ストレスの増加や生活環境の変化により、年齢や性別を問わず多くの人が発症する可能性があります。適切な治療を受けることで回復が可能ですが、放置すると悪化し、社会生活に深刻な影響を与えることがあります。
当院では、最短当日に診断書を発行することが可能です。悩まずにすぐに受診し、専門医にご相談ください。土日も診療を行っておりますので、お仕事や学校の都合に合わせて受診していただけます。
うつ病の症状
うつ病の主な症状としては、以下のようなものがあります。
- 強い気分の落ち込みや悲しみが続く
- 何をしても楽しめない、やる気が出ない
- 疲れやすく、体がだるい
- 眠れない、または眠りすぎる
- 食欲の低下や体重の変化
- 集中力や判断力の低下
- 自分を責めたり、無価値だと感じたりする
- 死について考えてしまう
など
うつ病の症状は個人によって異なる場合があります。また、身体的な症状(頭痛、消化器系の問題など)も見られることがありますので、患者さんそれぞれに合わせた治療が必要です。
身体的症状
- 睡眠障害(寝つきが悪い、夜中に目が覚める、過眠)
- 食欲の変化(食欲不振、過食による体重変化)
- 慢性的な疲労感(休んでも疲れが取れない)
- 頭痛や胃腸の不調(原因不明の痛みや不調が続く)
これらの症状が併発している場合は、一度、ご相談ください。
うつ病の原因
うつ病の原因は複雑で多岐にわたりますが、神経伝達物質の役割は特に重要です。セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンの機能低下が、うつ病の症状と密接に関連していることが研究で示されています。 そのほか、ストレス、環境の変化、性格、遺伝的要因、ホルモンバランスの乱れなど、さまざまな要因が関係しています。
心理的要因
- まじめで責任感が強い、完璧主義といった性格傾向
- 過去のトラウマや幼少期の心理的な影響
環境的要因
- 長期的なストレス(職場や家庭環境の問題、人間関係の悩み)
- 失業、離婚、親しい人の死などのライフイベント
- 孤独や社会的なサポート不足
このように、うつ病は複数の要因が重なって発症すると考えられています。
うつ病の種類
うつ病には様々な種類があり、症状や原因によって分類されます。主な種類は以下の通りです。
メランコリー型うつ病
典型的なうつ病とされ、以下の特徴があります。
- 楽しいことがあっても気分が晴れない
- 食欲不振や体重減少
- 朝に気分が激しく落ち込む
- 過度な罪悪感
非定型うつ病
「新型うつ病」や「現代型うつ病」とも呼ばれ、以下の特徴があります。
- 気分反応性が高い(良いことがあると一時的に気分が良くなる)
- 過眠や過食傾向
- 他責的な思考
季節型うつ病
特定の季節に発症し、約半年のサイクルで症状が繰り返されます。主に夏季と冬季に発症しやすいとされています。
産後うつ病
出産後に発症するうつ病で、ホルモンバランスの乱れや育児ストレスなどが原因とされています。
その他のうつ病の分類
双極性障害(躁うつ病)
うつ状態と躁状態を繰り返す障害で、以前は「躁うつ病」と呼ばれていました。
持続性抑うつ障害(気分変調症)
2年以上にわたって抑うつ症状が持続する障害です。
心因性うつ病
心理的ストレスや精神的葛藤が原因で発症するうつ病です。
内因性うつ病
体質や遺伝的要因が関与するうつ病です。
身体因性うつ病
脳の病気や他の身体疾患が原因で発症するうつ病です。
これらの分類は、症状の特徴や原因によって区別されますが、実際には複数の要因が絡み合っていることも多く、明確に区別できない場合もあります。適切な診断と治療のためには、専門医による詳細な評価が必要です。
うつ病の検査・診断
うつ病の診断には、主に医師による問診が中心となりますが、必要に応じて心理検査や身体検査を行います。
SDS(Self-Rating Depression Scale)
うつ状態の程度を本人が自己評価するための心理検査です。うつ病が疑われる方、気分の落ち込みが続いている方などに有効です。医療機関では、他の心理検査(BDI、HAM-Dなど)や問診・診察と併用して使用されることが多いです。
20問程度の設問に回答していただき、各設問に対して「まったくない」から「ほとんどいつも」など4段階で答えます。
※正確な診断は医師が行います。SDSはスクリーニング目的であり、診断ツールではありません。
うつ病の治療法
治療には、休養、薬物療法(抗うつ薬)、心理療法(カウンセリング)があり、患者さんの症状や生活環境に合わせて適切な方法が選ばれます。
たとえば軽度から中等度のうつ病では、心理療法が第一選択となることがあります。中等度から重度のうつ病では、薬物療法と心理療法の併用が効果的とされています。重度のうつ病や他の治療に反応しない場合には、また別の治療法が必要です。
いずれの場合も、生活習慣の改善は、うつ病の予防と管理にとても重要です。
- 睡眠リズムを整える
- 適度な運動を取り入れる
- 健康的な食事を心がける
- 十分な睡眠をとる
- 無理をせず、できる範囲で日常生活を送る
- 家族や友人との交流を増やす
など、無理のない範囲でできることから改善していきましょう。
うつ病は適切な対応をすれば回復できる病気です。一人で抱え込まず、早期に適切な治療を受けることで、回復の可能性が高くなります。自分では「気の持ちよう」と思わず、気になる症状があれば、医師や専門家に相談することが大切です。
当院では、最短当日に診断書を発行することが可能です。悩まずにすぐに受診し、専門医にご相談ください。土日も診療を行っておりますので、お仕事や学校の都合に合わせて受診していただけます。お気軽にご相談ください。